Jun 19, 2011

気になるレーザー脱毛

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 ◇演奏、運営は評価高く
 「札響」の愛称で親しまれる道内唯一のプロ・オーケストラ、札幌交響楽団(楽団員76人)が今年創立50周年を迎え、22日から欧州3カ国での記念公演ツアーが始まる。一時は財政難から解散も懸念されたが、最近は演奏、運営両面において全国的に評価が高い。一方、自治体からの補助金は減り続けており、財政安定化のためにもファン拡大が今後の課題だ。【大場あい】
 ■「札幌をPR」
 「(東京電力福島第1)原発事故の影響で、欧州公演は(客入りなど)相当厳しいものになるだろう。くれぐれも体調には気をつけて」。ドイツ、英国、イタリアを巡るツアーを控えた16日、札幌芸術の森(札幌市南区)での練習で、指揮者の尾高忠明・音楽監督は楽団員を励ました。
 欧州公演は10年ぶり。ロンドン公演は、収益を東日本大震災被災地に寄付するチャリティーコンサートにした。宮澤敏夫事務局長は「現地のオーケストラと比べて、我々の演奏が負けるとは思わない。(震災後の)今だからこそ北海道、札幌を大いに宣伝していきたい」と話す。
 札響は61年、「札幌市民交響楽団」の名称で、全国3番目の地方オーケストラとして発足した。歴代の音楽監督、指揮者には故岩城宏之さん、尾高さんら世界的な指揮者が名を連ねる。日本を代表する作曲家、故武満徹さんとの縁も深く、85年には、武満さんが音楽を担当した映画「乱」のサウンドトラックを収録し反響を呼んだ。
 札幌市西区の同市職員、伊藤直一さん(60)は30年ほど前に札響に出合って以来のファン。「生演奏の迫力に衝撃を受け、退屈だというクラシック音楽のイメージが吹き飛んだ。公演後、楽団員がホールの外で聴衆を見送ってくれる親しみやすさもうれしい」と話す。
 ■経費削減で再生
 解散の危機は02年に表面化した。公演数や法人会員の減少などで、02年度末の借入金は5億6000万円に膨れ上がり、監督官庁の道教委が「健全性が求められる財団法人としては前例がない」と指摘した。
 札響は約9億円の基金を取り崩して返済に充てると同時に、事務局のスタッフを総入れ替えし、運営方法をすべて見直した。人件費を大幅削減し、1人当たりの年収が50万円以上ダウンした年もあった。道外演奏家の新千歳空港からの交通手段をタクシーから列車に替えるなど、徹底してコストを削減した。
 「力のある楽団だったが、サービス精神を忘れ、客が離れていった」(宮澤事務局長)。経営を立て直したことで、09年に道内で初めて公益財団法人に移行した。
 聴衆の裾野を広げるために、公演の組み立て方にも知恵を絞る。札幌コンサートホール・キタラ(札幌市中央区)で開催する定期演奏会は、05年から昼公演も設定し、市外から日帰りで来る聴衆が増えているという。
 札響が主催する公演の来場者数は、03年度は3万1381人(22公演)だったのに対し、10年度は6万1198人(42公演)。宮澤事務局長は「企業は景気が悪くなると文化活動から離れるが、個人のレベルではどんな時でも文化や教養などを大事にすると思う。さまざまな客層の希望に応じた公演を提供すれば、札響を聴きたいというお客様は必ずいる。北海道日本ハムのように、一般市民に広く支持してもらえる楽団になりたい」と力を込める。
 ■補助金カットも
 自治体などからの補助金は減少傾向にあり、地方を拠点とするオーケストラを巡る状況が厳しいことに変わりはない。
 札幌市は「市内での公演が多く、市民への貢献度も高い」として、05年度以降の補助金は1億6000万円を維持している。だが、財政難の道からの補助金は99年度の1億8000万円をピークに減り続け、09年度はほぼ半減した。経営基盤は万全とは言えないのが実情だ。
 閔鎭京(ミンジンキョン)・北海道教育大准教授(アートマネジメント専攻)は、国際教育音楽祭「パシフィック・ミュージック・フェスティバル」(PMF)と札響の連携を挙げ、「北海道から音楽を世界に発信する役割を担ってきた」と分析。「道外へ人材が流出する分野が多い中で、全国から優秀な演奏家が集まり、子どもたちへの情操教育や、道民にオーケストラの魅力を知ってもらうことに貢献してきた」と評価する。
 閔准教授は、今後の課題として「演奏を楽しむ人に加え、『パートナーとして札響を支えたい』という意識を持つファンを増やすこと」を挙げる。札響を支援するパトロネージュ(維持)会員数は440団体・個人(11年3月現在)で伸び悩んでおり、「教育事業への寄付など内容を具体化することで支援への動機付けも強まるのではないか」と提案する。
 ◇来月4日、欧州公演帰国記念演奏会
 欧州公演帰国記念演奏会は6月4日、札幌コンサートホール・キタラで開かれる。午後3時開演。問い合わせは札響事務局(011・520・1771、平日午前9時半〜午後6時)。
 このほか、50周年記念事業として、ベートーベンの交響曲全曲連続演奏会(9〜12月)▽過去の演奏記録の一部デジタル化▽50周年記念誌の編集−−などを予定している。出会い
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 ◆札幌交響楽団50年の歩み
1961年 札幌市民交響楽団として発足
  62年 財団法人札幌交響楽団となる
  64年 初のレコード制作
  68年 準団員制度を廃止し完全なプロ楽団に
  75年 初の海外公演(米国、西独)
  85年 映画「乱」の音楽を担当
  90年 パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)参加
  92年 東南アジア6都市公演
  94年 東南アジア6都市公演
  97年 札幌コンサートホール・キタラこけら落としコンサート
2001年 英国のクラシック音楽専門レーベルからCDを世界発売
      英国7都市公演
  02年 経営危機が表面化
  04年 キタラファーストコンサート開始
  05年 韓国公演
  06年 専属の札響合唱団結成
  07年 第500回記念定期演奏会
  09年 道内初の公益財団法人化
  11年 50周年、欧州公演(3カ国5都市)

5月22日朝刊

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